これのつづき。ってか本章。
巷にある『アボガドのここがすごい!女子に大人気なスーパーフードの効果って!?』みたいなミーハー記事より本質的で役にたつと思います。
個々の食品のプロファイルよりも、包括的な考え方に注目して読んで欲しいです。
【要約】
◆ 積極的に食べるべきもの
① 海苔
② ヨーグルト
③ こんにゃく
④ 豆腐
⑤ 新鮮なくだもの
◆ 積極的に避けるべきもの
① 菓子パン
② ケーキ
③ チョコレート菓子
④ ラーメン
⑤ お酒
◆ 積極的に食べるべきもの
① 海苔
メリット
・低カロリー&低糖質(焼き海苔一枚6kcal。糖質はほぼゼロ)
・低塩分なのに風味がしっかりあるから減塩につながる
・半分がタンパク質で半分が食物繊維
・女性に嬉しいビタミンCや葉酸も豊富
・購入や調理、摂取が比較的容易
・海藻類の中でもヨウ素が少ない
デメリット
・重量や腹持ちで考えると、安い食品ではない
・昆布よりはるかに少量だがヨウ素を多く含む食品であり、食べ過ぎれば甲状腺ガンのリスクは多少上がる。女性は注意。
ワンポイント
タンパク質を食物繊維で構成され、多くのダイエッターにとって何も気にせず食べられる食品。
ゼロカウントどころか、豊富な食物繊維は他の食品由来の糖質の吸収も抑えてくれるのでマイナスカウントもできる食品。つまり積極的に食べて欲しい。
調味料やおやつとしても活用したい。
毎食の食前に一枚パリパリ食べましょう。
② ヨーグルト(固形・プレーン)
メリット
・水分が多く低カロリー。
・現代人が唯一不足している栄養素「カルシウム」の貴重な栄養源
・腸内環境を利する主な細菌である乳酸菌の宝庫
・乳製品が苦手な乳糖不耐症の人でも比較的食べられる
・低カロリーなおやつとしての利用。フルーツの摂取を推進するという意味でもgood。
・実はビタミン類も豊富。
デメリット
・多少ではあるが動物性の脂質を含む。
・砂糖の使用に注意。
ワンポイント
便秘で悩む前にヨーグルト。
ぼくは毎食後うんちします。
腸内の乳酸菌を増やすには、乳酸菌そのものに加えて彼らのエネルギー源である乳糖を摂取すると良いですが、ヨーグルトには双方が多く含まれており、かつ乳糖の一部がすでに乳酸に分解(乳酸発酵)されているので、日本人の10%と言われる「乳糖不耐症」の方でも比較的食べやすい。
乳糖を分解するラクターゼの活性が低い日本人ですが、腸内の乳酸菌のラクターゼによって補われているところもあります。
なので、苦手だからといって乳製品を避けていると、乳酸菌が減ってより乳糖に弱くなって、なおさら乳製品が食べられなくなって…と、乳糖不耐症のデフレスパイラルに陥る可能性も。
なので比較的食べやすいヨーグルトからはじめて、腸内の乳酸菌をリッチにしていく人生設計が必要です。
また、飽食の時代を生きる現代人でも、唯一不足しがちなのがカルシウム。体の成長や骨の健康、精神の安定にも重要なので、これは意識的に摂る必要があります。魚や野菜類にも含まれますが、圧倒的に吸収率がいいのが乳製品。
とはいえ動物性脂肪もカロリーもあるので、
ヨーグルト>チーズ>牛乳の優先度でうまく取り入れたいですね。
もちろん、ヨーグルトは無糖を選びましょう。飲むヨーグルトはだいたい砂糖とかで調整されてるのでやっぱ固形のプレーンがいいね。お腹にもたまるし。
積極的に摂った方が良いとされるフルーツの甘みとともにいただきたい。
③ こんにゃく芋製品(コンニャク、しらたき)
メリット
・低カロリー、てか無(む)。
・ガン食いしてガン腹持ち。
デメリット
・特にない。濃い味付けに注意するくらい。
ワンポイント
水と食物繊維。カロリーがほぼ皆無。
現代でいう「健康的な食事」とは、何か特定の物をたくさん食べたり特定のものだけ食べなかったりすることではなく、
「いかにカロリー少なく、味付け濃くなく、腹を満たすか」という命題。美味しいものを楽しみながら、それをいかに工夫して実行するか。
食べるものを減らせばそれだけカロリーは抑えられるわけだか、それは簡単なことではない。
それならば、日々の食事にできるだけ「低カロリーで腹にたまるもの」を入れ込んで、気づかぬうちに腹を満たし、その他の美味しいものを楽しみながらその食べ過ぎを防ぐ、という戦略が賢い。
(ただし、小食で栄養不足気味の人は注意だが)
こんにゃくやしたらきは、低カロリー食品の中でもめちゃくちゃ食べ応えあるし、調理方法によってはめっちゃうまい。
しらたきとか鍋にぶっこんだらクソうまいし麺類として代用できる。
つまり無限。
④ 豆腐
メリット
・高タンパク、低カロリー。
・様々な調理法が模索されており、そのままでも加熱しても美味しい。
デメリット
・女性は環境ホルモンとしての大豆イソフラボンの過剰摂取にだけ注意。
ワンポイント
日本人なら誰もが納得する健康フードでしょう。
水分含量も多くて低カロリー低脂質で高タンパク。
そのまま食べても美味しいし、米の代用として主食として利用もできる。
大豆イソフラボンが良いとされるが、一応ホルモン様物質なので、極端な過剰摂取は体のホルモンバランスを崩す可能性もないことないので、妊活中とか妊娠中の女性とかは気をつけたほうがいいかも。
④ くだもの全般(生鮮食品)
メリット
・ビタミン、ミネラル、食物繊維の手軽な栄養源。
・甘くて美味しい。かつ血糖値をあげにくい。
デメリット
・水分含量は高めだが、果糖を中心に糖類で、ここに挙げた食品の中では比較的高カロリー。
・高価。
ワンポイント
フルーツを多く食べる食事は相対的に健康であるという結果がエビデンスベースでわかっており、日本人はその摂取量が比較的少ない。
お菓子や菓子パンの代わりに積極的にフルーツを食べる食生活を目指したい。
糖質が多く含まれるため、食べれば食べるほどいいというわけではないが、主に含まれる糖質である「果糖」は血糖値をあげにくいとされており、食後高血糖や糖尿病を気にする人には嬉しい。ただし、その反面、中性脂肪には変わりやすいとも指摘されているので、食べるのであれば夜ではなく朝がオススメ。果物からとったカロリーを一日のうちで使ってしまえるからだ。
糖質を含む分、もちろんカロリーはあるのだが、油脂を含んだ肉製品やその他の菓子製品と比べると低カロリーであり、食物繊維を含む分多少は相殺される。
また、水分含量が高く廃棄率も高めなので、購入したときや調理前のずっしり感を考えれば低カロリーで、食べ過ぎを防ぐ食品と言ってよい。
例えば、バナナ一本やリンゴ一本を手に持つと、ずっしり重くてたくさんは食べられそうにないが、皮を剥いたりタネを捨てたりするうちに目減りして、バナナ1本であれば80kcal、りんご一個でも150kcal程度と低カロリーになる。
最終的に食べる部分が少なくなっても、その前後の体験を含めて満腹度が左右されるので、皮をむく、とか調理する工程は重要である。
カットフルーツやジュースではなく生鮮食品としてのくだものを選んだ理由はそこにある。
もちろん、新鮮である方が多種多様な風味が重なって美味しく感じられるし、その分、ただの果糖や砂糖で味付けしたジュースよりも相対的に糖質摂取量が少なくなる。
◆ 積極的に避けるべきもの
① 菓子パン
デメリット
・高カロリー
・高糖質
・高脂質
・低栄養
メリット
・やっすい
・あっまい
・うんまい
ワンポイント
そこらへんのスーパーで100円そこらで売られてる「菓子パン」。
袋入りのパンばかり食べることが健康的だと思う人はそういないと思うが、ウインナーロールやピザパンなど、多少のタンパク質を含む惣菜パンならまだわかる。
でも、メロンパンやシュガートーストみたいな菓子パンはダメだ。
パンはそもそもが小麦粉をこねたものであり、しかも水分含量が低く、その分牛乳やジュースなどと合い、食塩も多用されており、無意識のうちに摂取カロリーを底上げする健康に悪い食品である。
菓子パンは、そのパンにさらに砂糖や動物性油脂で味付けしてカロリーをカサ増し、それでいてタンパク質やビタミンなどの栄養素に乏しい。
なんと悲しい食品群だろうか。
メロンパンは、メロンには遠く及ばない。
同じパンでも、よりタンパク質を含んでかみごたえのあるフランスパンや、卵やハム、ウインナーなどを含んだいわゆる”塩もの”系のパンは、積極的に摂るべき栄養素を含む、という点で、まだマシだと考える。
② ケーキ
デメリット
・高カロリー
・高糖質
・スーパー高脂質
・低栄養
・高い
メリット
・あっまい
・うますぎ
ワンポイント
菓子パンと同様の理屈で、避けるべき食品。
生クリームという動物性油脂がたっぷり使われてることがほとんどで、しかも高価な分タチが悪い。
フルーツをふんだんに使ったものがある点は救いだろうか。
まあケーキを毎日食べる人はあまりいないと思うので、毎日食べる可能性のある菓子パンの方が、より避けたときのメリットが大きい。
③ チョコレート菓子
デメリット
・高カロリー
・高脂質
・安くはない
・なぜか健康的と謳われることも
メリット
・あんまい、うんまい、以外に特にはない。
ワンポイント
またもや菓子だ。
みんな大好きチョコレート。
キャンデーやキャラメル同様に体に悪いことは自他ともに認める存在だが、大量の油脂が含まれて高カロリーになっているのが汚点。
しかも、高ポリフェノールという名目で、時には積極的に食べたほうが良い健康食品としての扱いも受けるところがややこしい。
ぼくの考えでは、様々な他の食品から「ポリフェノール」と言われる物質は十分に摂取できており、また、摂取したポリフェノールが体内で有効に機能するかどうかについて、十分な検証はまだされていない。
摂った方がいいものかまだよくわかっていないものがちょっと入っているからといって積極的に食べてしまうという点で、性格の悪いお菓子と言えるだろう。
④ ラーメン
デメリット
・高カロリー
・高脂質
・高糖質
・高価
・しかも高塩分
・低栄養
メリット
・死ぬほどうまい
・酒のあとの締めラーメンで絆深まる
ワンポイント
みんなわかってるけど、不健康なラーメン。
悪いのは高カロリー・高糖質・高脂質に加えて、高価で高塩分なこと。
「塩分って年取ってから気にすればいいんでしょ?」って思ってるかもしれないが、実は国際的には緊急を要する問題として扱われてる。
国際連合が2011年に発表した「生活習慣病対策のために世界全体が取るべき5つのアクション」では、
①タバコ ②食塩 ③肥満、不健康な食事、運動不足 ④有害飲酒
と並べられており、
減塩の重要性は「タバコ」についで2位、しかも「食塩」単体で「肥満・不健康な食事・運動不足」をすべてひっくるめた問題よりも大きく扱われている…となると、いかに食塩による健康被害が大きいかということが伺える。
もはや食塩だけでこの文章の「不健康な食事」という範疇から独立して飛び越えてしまってる!これは恐るべきことでしょう。
しかもラーメンはお菓子と違ってガッツリ系だから、これ一杯食べただけで食事が終わる。
タンパク質やビタミン・ミネラルなど、必要なその他の栄養素の摂取の妨げになること必須。
美味しくても週に一回程度にしたいし、できることならAFURIのこんにゃく麺を選びましょう…
⑤ 酒
デメリット
・身体的には、100害あって1利なし
・水分なのに高カロリー
・理性が飛び食べ過ぎを促進
・アルコールが食欲を増進
・脂肪の蓄積を促進
・筋肉の分解を促進
・睡眠の質を低下
・脳の働きの低下
・肝機能の低下
・事故や暴力のリスクを増大
・高い
・少量のお酒は体にいい、という迷信
メリット
・運動後のビールうまい
・ソーシャルな点を含めれば、100害あって30利くらいありそう
ワンポイント
「お酒は適量ならむしろ体にいい」
僕の結論ではこれは迷信なのだが、100%ウソと断言できないところもある。
実際にエビデンスベースで、お酒を少量飲む人は、全く飲まない人よりも死亡率や疾患のリスクが低く(特に血管系疾患)、多量に飲むとリスクが急激に上がっていく(いわゆる『Jカーブ』)という、研究結果が広く認められている。
ただ、これはただの相関関係であって、因果関係とはぼくは考えない。
お酒が体の健康を害するメカニズムとしては数多くのことがわかっており、全く飲まない人がお酒を飲み始めると健康度が上がる、と解釈するのはおそらく誤りだ。
きっと別の因果関係C(例えば「アルコール耐性が強い」「社交的」「飲んだ方が出世できる」「お酒を使うと恋愛で成功しやすい」)が複数存在して、それらが複雑に作用してA(お酒を飲む)とB(死亡率が低い)という相関関係が生まれているのであろう。
直感ベースでも、確かに全くお酒を飲まない人より少しは嗜んでいる人の方が社会的地位や幸福度はたかそうなイメージもなんとなくある。
そういったソーシャルなファクターも含めて、心身の健康や寿命にも作用してくるのであろう。このトピックはそれ単体で面白いのでまた後日。
と、いうわけで、確かに少しお酒を飲んだ方が相対的に健康、という研究結果もあるけど、「相関関係」と「因果関係」の履き違いに気をつけてね、という意味でも、避けるべき食品としてお酒を取り上げました。
ぼくも好きだけど、アルコールはほどほどにね。
今回は以上です。参考になれば幸いです。
なんかリクエストや疑問あったら言ってね。
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