定義
砂糖とは、甘みを持つ調味料(甘味料)のことです。
一般的に『砂糖』として使用されているもののほとんどはサトウキビおよびテンサイの中に蓄えられたショ糖を取り出して結晶化したもので、成分もほぼ100%がショ糖(スクロース)です。
甘味料には、単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトースなど)や少糖類(二糖類、オリゴ糖、デキストリンなど)の他に、多糖類(でんぷん)や糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、マルチトールなど)、合成甘味料(アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロースなど)があります。
またこの他にも、砂糖の代用として料理やお菓子などに使われる甘味には、アガベシロップ、デーツシロップ、ココナッツシュガー、オリゴ糖、はちみつ、みりん、フルーツ、メープルシロップ、黒糖などがあげられます。
作用
糖分は、ブドウ糖に分解され、体内で様々な働きをしますが、精製された白砂糖を過剰に摂取することで、悪影響を多く与えてしまいます。
- 血糖値の上昇
白砂糖は血中に取り込まれるのがとても速く、血糖値が急上昇するため、インスリンが過剰に分泌されて低血糖を引き起こしやすくなります。低血糖が続くと血糖値を上昇させようとして、アドレナリンが分泌されます。アドレナリンの過剰分泌が続くことで、思考力が減退し、集中力がなくなり、短気でキレやすくなります。また、アドレナリンが体内で分解されてできるアドレノクロムという物質は、麻薬メスカリンの中の薬効成分と同じ物質であり、依存性も高いとされています。 - 胃腸内環境の悪化
カリウムを大量摂取したような『カリウム様作用』により、胃下垂・腸下垂・臓器下垂・ヘルニアなどを誘発します。
また、腸壁を膨張させ透過性を高めてアレルゲン物質を血液中に引き込みやすくなります。そのため、腸管の透過性が増大し、食物が大きな分子のまま吸収されてしまいアレルギーを悪化させます。大量の白砂糖によって腸内環境が悪化すると腸の機能や免疫機能が低下し、アレルギーだけでなく、クローン病など大腸炎の素因をつくることになります。 - 脱灰の促進
脱灰とは、骨を構成しているカルシウムやリンなどのミネラルが、酸によって溶かされることです。
白砂糖は酸性食品です。動脈血は弱アルカリ性なので、酸性食品が大量に体内に入ると、中和するために体内のミネラル分が使われます。この時、最も多く消費されるのがカルシウムです。白砂糖はカルシウムをほぼ含有していないため、必要なカルシウムは体内の骨や歯を溶かして供給されます。 - 血液の汚染
ショ糖は分子が小さいため分解されないまま胃壁からも吸収され、血液を汚します(瘀血)。また、過剰に摂取すると血液の粘度を高め、細胞・組織を老化させます。 - ビタミンB1の欠乏
ショ糖が体内で分解される際にはビタミンB1が必要です。ビタミンB1の摂取量が少ないと欠乏症を起こし、鬱、疲労、眩暈、貧血、頭痛、浮腫、湿疹、脂肪肝、心疾患、呼吸器疾患、記憶障害といった様々な症状の原因となります。 - 副腎疲労症候群の誘発
糖質の摂り過ぎは、糖質を分解するための重要なホルモン(アドレナリンなど)を分泌する副腎にも大きな負担をかけ、副腎疲労症候群を引き起こします。副腎疲労によりホルモン分泌量が低下すると、うつ状態や倦怠感、立ちくらみ、朝のだるさなどの症状を誘発させるだけでなく、ストレスに弱い身体になります。 - 悪玉菌の増加
口内のミュータンス菌(虫歯の原因)や胃・十二指腸のピロリ菌(潰瘍の原因)、腸のウェルシュ菌(腸内腐敗の原因)などの悪玉菌を増加させ、万病に繋がります。 - 依存症
脳は報酬系として甘味を求めてしまうもので、それは生化学作用ですが、徐々に砂糖依存自体から脱却していくことが重要です。
人が甘みをおいしいと感じる機能は、エネルギー源である糖類が含まれる食べ物を効率良く検知するために必要なセンサーです。
甘いものを食べるとα波やエンドルフィンといった脳内モルヒネが放出され、脳の快感中枢が刺激されて幸せな気分にさせるドーパミンが大量に分泌されます。血糖が急激に上がると、セロトニンが分泌されます。
しかし、急激な血糖値の上昇で得られた幸福感は、血糖値の低下とともに感じられなくなり、またすぐに糖質を欲するようになります。そればかりか、血糖値が上がる前よりも気分が落ち込みやすくなり、うつ状態に陥ることもあります。これを繰り返すことで、脳は血糖値のコントロールができなくなり、糖分を過剰に欲するようになります。
分類
【原料による分類】
甘味料は、様々な種類の原料から製造されています。
砂糖は、サトウキビを原料とした「きび砂糖」と、テンサイを材料とした「てんさい糖」が一般的です。
サトウキビ(甘蔗)
イネ科の多年草で、熱帯を中心に栽培されています。茎の汁液に糖分(ショ糖)を含み、その量は全体の約11%です。絞りかすはパルプ原料や飼料、燃料として利用されています。国内で生産される砂糖の約8割はサトウキビから作られています。
きび砂糖は、糖蜜(砂糖精製時の副産物で、糖分以外の成分も含んだ粘状で黒褐色の液体)を含む含密糖と精製の過程で糖蜜を分離させた分密糖に分類されます。
砂糖には、上白糖、グラニュー糖、白双糖、三温糖、黒糖など様々な種類があります。
砂糖の種類によって、主成分であるスクロース(ショ糖)以外の不純物の種類や含有量が異なるため、性質や味も違ってきます。砂糖商品のうち、グラニュー糖や白双糖(グラニュー糖より結晶粒子を大きくしたもの)は不純物量が非常に少なく、純度の高い砂糖で、糖度(検糖計で測定したショ糖分)は99.9%以上です。
(1) 含蜜糖
糖液をそのまま煮詰め、不純物を取り除いて固めたもので、ミネラルを豊富に含みます。
- 黒砂糖
黒砂糖(brown sugar)は、サトウキビの搾り汁を直接加熱して煮詰めた砂糖のことです。糖度は85%位ですが、甘みは強く感じ、豊富なミネラルと微量のビタミンを含みます。独特の風味があり、かりんとうや飴玉などの菓子に多く使用されています。 - 和三盆
和三盆の原料となるサトウキビは、熱帯地方で一般的に栽培されるサトウキビと異なる栽培種(竹糖:徳島県と香川県で栽培されている)が使用されます。サトウキビの搾り汁を煮詰め結晶化させて白下糖をつくり、これを盆の上で適量の水を加えて練り上げて、砂糖の粒子を細かくする「研ぎ」という作業を行った後、乾燥させます。濃厚な甘さと強い風味があり、伝統的な製法で製造されているため、高級砂糖として和菓子などに多用されます。
(2) 分蜜糖
糖液をイオン交換樹脂膜に通して不純物を取り除き、ショ糖だけにしたものを一度結晶化させて遠心分離機にかけたものを原料糖にし、さらに精製して製品にしたものです。一般的に、精製度が高いほど白い砂糖になり、精製過程でほとんどのミネラルは取り除かれます。
- 車糖
車糖(soft sugar)とは、水分がやや多く、粒子の小さな結晶糖に糖蜜液(ビスコ)を混ぜて結晶化した砂糖のことです。日本で最も使用量の多い砂糖で、国内の砂糖使用量の約半分を占めています。 - 上白糖
砂糖というと上白糖を指すことが一般的です。主成分はショ糖で、水分と転化糖(ショ糖として結合していたブドウ糖と果糖が分解された混合物で、ショ糖よりも濃厚な甘味と強い吸湿性を持つ)を添加するため、しっとりとしていて溶けやすいのが特徴です。コクのある強い甘味があります。 - 中白糖
全体的に上白糖よりもやや精製の度合いが高く、純度も低いので明るい淡黄色をしています。上白よりやや強い甘味があります。 - 三温糖
中白糖よりもさらに精製の度合いが高く純度が低いため、より濃い黄褐色をしています。灰分が比較的多いために甘味が強く感じられ、味にコクがあるため、煮物や佃煮などによく使われます。 - 双目糖
双目糖(Hard sugar)とは、水分含有量が少なく、結晶が大きい砂糖のことです。カロリーは、387kcalです。 - 白双糖
結晶がグラニュー糖より大きく、無色透明で光沢があります。糖度がほぼ100%で、高級砂糖といわれています。 - 中双糖
結晶の大きさは白双糖とほぼ同じで、黄褐色をしています。純度が高く風味がよいので煮物などに多く使用されます。 - グラニュー糖
最高純度の糖液糖から作られる無色結晶状の砂糖で、カロリーが最も高い糖類です。転化糖をほとんど含まないため通常の砂糖よりサラサラしています。
世界で最も使用量の多い砂糖で、結晶は上白糖よりやや大きく、淡白な甘味が特徴的です。溶解性が高いためコーヒーや紅茶に多く使用されます。
(3) 加工糖
加工糖(processed sugar)とは、砂糖を加工して、特定の料理やスイーツに合うようにしたものです。
- 角砂糖
グラニュー糖を固めたもの。 - 氷砂糖
高純度の糖液をゆっくりと時間をかけて大きな結晶にしたものです。溶けるのに時間がかかるため、果実酒などに使用されます。 - 顆粒状糖
グラニュー糖に空気を含ませて多孔質の顆粒状にしたものです。 - 粉砂糖
一般的に、純度の高い白双糖やグラニュー糖を細かくすり潰しコーンスターチを加えたものです。 - 液糖
液糖(liquid sugar)は、主として業務用につくられた液状の糖です。大きく分類すると、溶けている成分がショ糖だけのものと、ショ糖の一部を転化糖にしたものがあります。 - ショ糖型液糖(グラニュー液糖)
グラニュー糖を溶解した品質に近い無色に近い液状の砂糖で、67~68%の砂糖を含んでいます。溶解の手間がなく、ポンプ輸送による作業や管理ができるため、主に大規模な食品工場(特に清涼飲料・パン・餡、タレ、乳製品などの食品やドリンク剤などの医薬原料)に多く使用されます。 - 転化型液糖(上白液糖)
一般的に、ショ糖を主成分とした液糖に転化糖を加えたもの。菓子の焼き色を出すためにも使用されます。
テンサイ(砂糖大根・ビート)
アカザ科の多年草で、高緯度の地域で多く栽培されています。根の汁液に糖分(ショ糖)を含み、その量は全体の約16%です。葉と搾りかす(ビートパルプ)は飼料として利用されています。
オウギヤシ(砂糖椰子)
ヤシ科の常緑高木で、東南アジアで植栽されています。樹液を集め、煮詰めてヤシ砂糖(パームシュガー)を作ります。胚乳は食用です。
アガベー
アガベシロップは、主にメキシコで自生している植物から採取されるシロップで、テキーラの原料でもあります。
果糖の含有量の多さや精製されすぎている商品が多いといったことで賛否両論がありますが、植物から採れる果糖と、合成されて果糖だけを取り出したものとは別物です。
羅漢果(顆粒)
羅漢果は、中国原産のウリ科の多年草つる性植物で、直径5㎝程度の大変甘い(砂糖の300倍)実をつけます。僧侶の果物(Monk’s fruits)または神果と呼ばれています。中国政府は『重点保護植物』として、生の羅漢果や種の国外持ち出しを厳しく規制しているため、国産の羅漢果はありません。
産地は、中国南部、桂林の南西にある厳しい環境の山岳地帯にあるチュワン族自治区です。白砂糖と黒砂糖の中間のような、自然な甘みが特徴です。吸収されるカロリーは、ほぼゼロの自然甘味料です。
古来より咳やのどの痛み、便秘他様々な病気の予防と治療に使われているそうです。
羅漢果に含まれる甘味成分は、ブドウ糖・果糖・モグロシドです。モグロシドは、小腸から吸収されない配糖体で、血糖値に影響を与えません。
1983年に徳島文理大学生薬研究所の竹本常松教授の研究グループにより、「テンペングルコシド配糖体」という糖が含まれていることが発見されました。普通の糖とは根本的に分子構造が異なり通常の糖と違い水溶性の食物繊維です。腸内の細菌が摂取すると体内で酢酸が生成され、血糖値が下がる、ビフィズス菌の栄養となるので整腸作用をもたらすと言われています。
「パウダーにするのに、最低2%(てんさい)糖に結合させないと顆粒にならないため、98%はテルペングリコシド配糖体です。これはものすごい高分子なので、他の糖とはもう全然構造が違います。色の薄いのは、羅漢果98%と書いていてもかなりショ糖で水増しされているので注意して下さい。」(羅漢果工房、最高級のLクラス(完全無農薬自然栽培)新鮮な羅漢果を中国から輸入し、自社で製造)
効能:整腸作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗アレルギー作用、抗感染症作用、抗癌作用、抗ストレス作用、消炎鎮痛作用
注意:ラカントS®の主原料は、エリスリトール(羅漢果エキス0.8%+エリスリトール99.2%)です。
はちみつ
少量を毎日摂るとアレルギーや花粉症になりにくくなるなど、免疫系を強化してくれます。
糖尿病の方や体重を気にされている方にはお勧めしません。摂るとしても一日大さじ一杯程度にとどめてください。花粉症の方は、地元の生はちみつを取るとワクチン効果で改善されます。
デーツシュガー
乾燥デーツ(プルーンのような果物)を粉末状にしたもの。
中東、欧米では朝の時間帯に食べる人が多い
サトウカエデ
カエデ科の落葉高木で、カナダを代表する木です。幹から樹液を集め、煮詰めてメープルシロップを作ります。これを更に濃縮させ、固めたものをメープルシュガーといいます。
新甘味料
砂糖(ショ糖)などに代わる新しい甘味料で、天然に抽出されたものから、化学的に合成されたものまで多数あります。
糖質、特に甘味料の摂取は、血糖値を上げ、インスリンを分泌すると血糖値が急激に降下します。また、認知症・心臓疾患など生活習慣病予防改善、がん予防・がん細胞の増殖阻止には、甘味料・人工甘味料の摂取は避けた方が良いと言われています。
甘味料は、がん細胞のエサになり、糖質摂取で分泌するインスリンはがん細胞増殖を刺激します。
糖質系甘味料と非糖質系甘味料に分類されます。
(1)糖アルコール
天然の糖類の分子に水素を添加(化学変化)したもので、砂糖に似た甘味(甘味度30~80%)を持っているため、一般的に低カロリー甘味料として用いられます。
小腸から体内への吸収は砂糖に比べ3割程のため、血糖値の上昇は半分程度です。
ミュータンス菌の餌にならない口内細菌による酸への代謝がされにくいため、虫歯になりにくい甘味料という効能がうたわれているものもありますが、リーキーガット症候群の原因の可能性あります。
糖アルコールにはアレルギーや消化器系の副作用(おなら、膨満感、下痢、腹痛など)もあります。
キシリトールは妊娠中や授乳中の女性は控えなければいけません。ラカントS®(エリスリトール)は、糖質制限者によく使用されているエリスリトールですが、腸のカンジダ菌に餌となり腸内環境を悪化させてしまいます。その結果、ゼロカロリーでも痩せ難くなります。また、犬にキシリトールは与えてはいけません。
(2)合成甘味料(非糖質性甘味料・合成)
食品に存在しない甘み成分を人工的に化学合成したものをいい、人工甘味料ともいいます。
砂糖の数百倍程度の高甘味度を持ち、使用すると食品の糖類含有量を減らしてカロリーを抑えることができるため、清涼飲料水・菓子・アルコール飲料などに多く使用されます。
一方、舌や甘味に対する感覚の鈍化や、依存度が非常に強いことが知られています。また、血糖値の急降下が激しく、肥満や生活習慣病の原因になりやすかったり、精神疾患の発症を促したりと様々な健康被害が問題になっています。極力摂取を避けるべき食品の一つです。
一般的には食品添加物とされるが、食品添加物の指定を取り消されたものもあります。
GI値が高いもの、発がん性、神経毒など体に悪影響のあるものを挙げてみました。60%以下が良いとされています。
(3)異性化糖
果糖に依る健康上の問題として、中性脂肪が増えるメタボ肥満がクローズアップされています。
異性化糖(ブドウ糖液、高果糖コーンシロップ)は、ブドウ糖と果糖(フルクトース)を主成分とする液状糖です。
主にトウモロコシ(ほぼ遺伝子組み換え)を原料に、ブドウ糖の一部を科学的に果糖に変化させたものです。異性化糖の主成分である果糖(フルクトース)は、インシュリンへの抵抗力(耐性)を増やし、メタボリック症候群や、糖尿病発症を加速させると言われています。
果物は本来食物繊維や栄養素が有り、果糖の吸収は緩やかになるのですが、高果糖コーンシロップは摂取すると、肥満、糖脂質尿酸の代謝異常、高血圧とメタボ症状になり易いので、これが入った飲料、加工食品には要注意です。
表1.新甘味料の種類と特徴
分類 | 名称 | 主な原料 | 甘味度(ショ糖比) | 特徴 | |
糖質性 甘味料 |
ソルビトール | ブドウ糖 | 60~70% | 水に溶解する時に吸熱反応を起こす。 | |
マルチトール(還元麦芽糖) | 麦芽糖(トウモロコシ) | 80~95% | 砂糖に近い甘味を持つが、摂取後の急激な血糖値の上昇がない。 | ||
キシリトール | キシロース(白樺の芯等) | 85~120% | 水に溶解する時に吸熱反応を起こす。一度に多量摂取すると下痢を起こす。GI値:7% | ||
カップリング シュガー |
ショ糖、 ブドウ糖 |
50~60% | ショ糖に数個のブドウ糖を結合させたもので、虫歯の抑制効果が認められている。 | ||
エリスリトール | ブドウ糖 | 60~80% | ブドウ糖を発酵。糖質で唯一0kcal。血糖値を上げない糖アルコール。 | ||
非糖質甘味料 | 天然 | ステビオサイド | ステビア (キク科植物) |
20,000~30,000% | ステビアの葉から抽出されるカロリーゼロ天然甘味料。 血糖値を上げない、血圧の正常化、カンジダ菌のエサになりやすい、不妊避妊作用 |
グリチルリチン | カンゾウ (マメ科植物) |
20,000~25,000% | 甘草の根から抽出される天然の甘味料。抗アレルギーなどの生薬にも利用されるが副作用もある。 | ||
合成 | アスパルテーム (aspartame) |
L-フェニルアラニン、アスパラギン酸 | 約100~200倍 | フェニルケトン尿症の患者に致命的な影響を与える。血糖値に影響。ラットに経口投与して脳腫瘍、ウサギに経口投与して骨格異常が発生。 | |
アセスルファムK (acesulfame K) |
ジケテン、スルファミン酸三酸化硫黄、水酸化カリウム | 約200倍 | 比較的に安全性が高いとされている。発がん性、催奇性、神経毒、砂糖依存症 | ||
スクラロース(sucralose) | ショ糖のヒドロキシ基塩素、ラフィノース | 約600倍 | 26.7 /100gの塩素が含まれる。日本では1999年から許可されている。非常に分解されにくい化学物質。ホルモン・免疫異常の可能性あり。発がん性、催奇性、神経毒、砂糖依存症 | ||
ネオテーム
(neotame) |
アスパルテーム還元的N-アルキル化により合成されるジペプチドメチルエステル誘導体 | 7,000~13,000倍 | 水に溶けやすく加熱しても変化しないため、加熱を伴う食品や飲料に使用される。日本では2007年に認可。 | ||
サッカリン (saccharin) |
アントラニル酸、亜硝酸二酸化硫黄、塩素、アンモニア | 約500倍 | チューインガムにのみ使用。安全維持のため、食品衛生法により使用料の制限がある。発がん性物質であることが認められ危険性が高い。網膜に催奇性、アレルギー(光過敏症)の原因。遺伝子にキズをつける性質も認められている。染色体異常。ラットで子宮がん、膀胱がん。カナダでは使用禁止。 | ||
フェロズルチン (dulcin) |
フェネチジン、尿素 | 200~300倍 | 中毒事故や肝臓機能障害、発癌性などの毒性が認められ1969年より食品への添加を全面禁止。 | ||
チクロ (サイクラミン酸) |
シクロヘキシルアミン | 約30~50倍 | FDAにより発癌性や催奇形性の疑いが指摘されたため、1969年に使用が禁止された。 |
【分類別栄養価】
甘味料の選択基準は、GI値とショ糖(スクロース)含有量が重要です。
ショ糖は他の糖に比べて健康上の問題点が多くあります。腸内環境の悪化ピロリ菌や悪玉菌のエサになりやすく、体内の炎症を促進させてしまいます。虫歯、肌のシミ、シワの原因にもなります。
表2.糖類の比較表
種類 | 推奨度 | GI値 | ショ糖含有率(%) | 成分 | 特徴 | |
糖分 | その他 | |||||
グラニュー糖 | ✖ | 110 | 99 | ショ糖 | ― | ― |
氷砂糖 | ✖ | 110 | 99 | ショ糖 | ― | 白砂糖よりもショ糖純度高い |
白砂糖 | ✖ | 109 | 98 | ショ糖 | ― | 微量の水分あり |
三温糖 | ✖ | 108 | 95 | ショ糖 | カリウム、カルシウム | ― |
黒糖 | ✖ | 93~99 | 80~88 | ショ糖、ブドウ糖、果糖 | カルシウム、カリウム、鉄、ビタミンB群、オフタコサノール、フェニルグルコシド | 上記、糖分よりもややミネラルがある |
玄米水飴 | ✖ | 98 | ― | ショ糖、麦芽糖 | デキストリン類、麦芽成分、リン、カルシウム、鉄分、ビタミン | 麦芽が含まれているので消化には良いとされる |
ハチミツ | ◎ | 88〜75 | 1~7 | 果糖(31~44%)、ブドウ糖(23~44%)、麦芽糖(3~16%) | ビタミン、ミネラル、乳酸菌、アミノ酸、抗酸化作用 | 高品質の製品は果糖の比率が上がるためGI値が低い |
メープル シロップ |
△ | 73 | 62 | ショ糖、果糖 | ビタミン、ミネラル、ポリフェノール | 肝臓保護効果あり |
デーツ | 〇 | 73 | 0 | ブドウ糖、果糖、ショ糖 | カリウム、カルシウム、マグネシウム | 不溶性 |
てんさい糖 | △ | 65 | 85 | ショ糖、オリゴ糖 | ミネラル | 米国製は遺伝子組み換え |
オリゴ糖 | 〇 | 43 | オリゴ糖 | 善玉菌のエサ(プレバイオティクス)になって体に良い | ||
ココナッツ パームシュガー |
◎ | 35 | 70~79 | ショ糖 | ミネラル、ビタミン、食物繊維 | 樹液から糖分を抽出 |
アガベシロップ | 〇 | 28 | 3 | 果糖、ブドウ糖、ショ糖 | 食物繊維、ミネラル | 果糖が多いため中性脂肪がつきやすい |
果糖 | ✖ | 22 | 3 | 果糖 | ||
みりん | ◎ | 15 | ||||
羅漢果 | ◎ | ブドウ糖、果糖、モグロシド | 純粋なものは入手困難 |
成分
精製された砂糖は「空のカロリー食品」であるといわれています。現代人が大量に摂取している砂糖の多くは精製された白砂糖であり、それらは糖代謝に必要な栄養素(ビタミン・ミネラル)がほとんど失われています。
精製されていない黒糖や蜂蜜・メープルシロップなどには、ビタミンやミネラルが多く含まれていますが、そのほとんどは糖代謝に使用されます。
表3.食品可食部100g当たりの栄養素
栄養素 | 上白糖 | グラニュー糖 | 黒砂糖 |
エネルギー | 383kcal | 387kcal | 353kcal |
たんぱく質 | (0) | (0) | 1.7g |
脂質 | (0) | (0) | (0) |
炭水化物 | 99.2g | 100g | 89.7g |
ナトリウム | 1mg | (0) | 27mg |
カリウム | 2mg | (0) | 1,100mg |
カルシウム | 1mg | (0) | 230mg |
マグネシウム | (0) | (0) | 31mg |
リン | (0) | (0) | 31mg |
鉄 | (0) | (0) | 3.7mg |
亜鉛 | (0) | (0) | 0.5mg |
銅 | 0.01mg | (0) | 0.23mg |
マンガン | (0) | (0) | (0) |
ビタミンA(β-カロテン) | (0) | (0) | (0) |
ビタミンD | (0) | (0) | (0) |
ビタミンE(トコフェロール) | (0) | (0) | (0) |
ビタミンK | (0) | (0) | (0) |
ビタミンB1 | (0) | (0) | 0.05mg |
ビタミンB2 | (0) | (0) | 0.07mg |
ナイアシン | (0) | (0) | 0.8mg |
ビタミンB6 | (0) | (0) | 0.72mg |
ビタミンB12 | (0) | (0) | (0) |
葉酸 | (0) | (0) | 10μg |
パントテン酸 | (0) | (0) | 1.38mg |
ビタミンC | (0) | (0) | (0) |
食物繊維 | (0) | (0) | (0) |
GI値 | 109 | 110 | 99 |
(食品成分表5訂新訂版)
表4.食品表示
パッケージ表示 | 食品表示基準(厚生労働省) |
ノンカロリー、カロリーゼロ | 5kcal未満/100g(飲料100ml) |
カロリー控えめ、カロリーオフ | 30kcal(飲料20kcal)未満/100g(飲料100ml) |
無糖、糖分ゼロ、ノンシュガー、シュガーレス | 糖類0.5g未満/100g(飲料100ml) |
低糖、糖分控えめ | 糖類5g(飲料2.3g)未満/100g(飲料100ml) |
(糖類とは、小糖類や糖アルコールなどを除いた栄養成分を指示したもの)
製造過程
製造方法には、主に4つの工程があります。精製することで不純物のない砂糖ができ上がります。
- 圧搾
サトウキビを細かく裁断、粉砕し、圧搾機にかけてローラーで圧搾して甘い汁を取り出します。 - 不純物の除去
繊維質のかす(バガス)を除いたしぼり汁に石灰を加え、不純物を沈殿させます(サトウキビの微酸性を中和し、不純物を沈澱させて除去するため)。沈澱物をろ過したあとの液を煮詰めたり真空状態で濃縮したりして水分を除去すると黒砂糖になります。 - 精製
水分を加え、遠心分離機にかけて蜜分をとばします。
数段階に分けて石灰、炭酸ガスを入れ、炭酸カルシウムとして不純物を沈殿させて除去します。
硫酸や塩酸を入れ、活性炭、骨炭、樹脂などに糖液を通し色素を除去します。 - 乾燥
再度湯に溶かし、煎糖(晶析)により結晶化させて乾燥させます。
【お薦め代替糖】
蜂蜜は天然のサプリメントと言われ、熱にも強い(300℃程度まで耐熱性)ため、加熱調理との相性も抜群です。
〈容量〉30㎎/日
〈効能〉
- 抗ウィルス作用
フラボノイドには、抗ウィルス作用があります。マヌカハニーは、一般的な蜂蜜の約8倍の抗ウィルス作用があると言われています。マヌカハニーの次に抗ウィルス作用が強いのが、そば蜂蜜です。 - 抗LDL作用
- 抗糖化作用・血糖上昇抑制
- 骨生成・破骨細胞の抑制作用
- 美肌作用 メラニンの生成を予防
- 整腸作用
蜂蜜には、オリゴ糖が含まれており善玉細菌の餌となるため整腸作用が期待できます
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